おさちの音楽図書館

女子高生が好きな曲を小説にしてみた。

<2> 猫 DISH//

俺は普通の人間だ。

 

普通の家庭に生まれ、

普通に学校に通い、

普通の高校へ行き、

普通の大学に進学した。

 

その普通の大学で出会ったのが美香。

美香とは友達の紹介で知り合った。

美香は最初からほかの人とは違った。

美香はほかの女の子とは違って、なんかキラキラして見えた。

なんでかはわからない。

よく考えたら、一目惚れだったのかもしれない。

それが俺の初めての恋だった。

 

初めて、この人と一緒にいたい。

この人の一緒に笑い合いたいって思った。

 

美香はいつも笑っていた。

美香はいつも笑顔で、俺が落ち込んでいるときも、疲れているときも、泣きそうなときもずっとそばで笑っていてくれた。

 

俺が、美香に告白したとき、

告白なんてしたことなくて、その時はものすごく緊張していた。

こんなつまらない俺なんかと付き合ってくれるなんて思ってなかったけど、

やっぱり、美香のことが好きだったし、なによりもずっとそばにいてほしかった。

誰よりも近くで笑っていてほしかった。

美香はいつものように、笑って「はい。」って言ってくれた。

この笑顔をずっと守りたいと思った。

 

告白をした帰り、美香の家まで二人で歩いているとき、

その時は夕方で、きれいな夕焼けが見えた。

 

「ひろむ。一個約束してほしいことがあるの。」

「なに?」

「夕焼けを見た日は絶対に何が何でも笑顔でいよう。

辛くても、悲しくても、泣きたくても。今日の日を思い出して、笑うこと。」

「じゃあ、夕焼けを見たときは、美香のことを思い出すことにする。」

「うん!夕焼け見てイラついたりしないでよー」

「当たり前だろー」

 

 

あの日は今まで生きてきた中で、一番幸せな日だった。

 

普通の人生ほどつまらないものはない。

そんなつまらない日常を変えてくれたのが君だった。